「火災保険で0円」の勧誘は10月前後に増えます|相談は24倍、まず保険会社へ

屋根と空

「火災保険を使えば自己負担0円で屋根を修理できます」——台風のあと、こう言って訪ねてくる業者がいます。

国民生活センターによると、この手の相談は2019年度に2,684件2010年度の111件から約24倍に増えています。そして勧誘・契約が増えるのは10月前後の秋台風シーズンです。

いまがその直前です。結論から書くと、保険金の請求は加入者本人が行うもので、まず損害保険会社に連絡するのが正しい順番です。

目次

相談は10年で24倍に増えました

「保険金を使って住宅修理」の相談件数。2010年度の111件から2019年度は2
「保険金を使って住宅修理」の相談件数。2010年度の111件から2019年度は2,684件に増えました
年度相談件数
2010年度111件
2019年度2,684件(約24倍)

国民生活センターは、この相談について「60歳以上の消費者が当事者となっている相談が多く占めている」としています。

消費者庁も「火災保険を使って実質的に無料で修理ができる」などとうたい、火災保険金を利用した修理工事契約を締結させる事業者について、注意喚起を出しています。

増えるのは10月前後。いまが直前です

国民生活センターは、勧誘・契約が増える時期をはっきり書いています。

勧誘・契約が増える秋台風シーズンは特に注意してください

10月前後に集中します。台風で屋根が傷んだ家を狙って回るからです。被害が出た直後は、判断が急かされる状況になります。

実際にあった相談は約400万円の見積もりでした

国民生活センターが挙げている事例です。

  • 事業者が屋根の損傷箇所を撮影した
  • 約400万円の工事見積もりを出した
  • 保険の申請は事業者がすべて行った
  • 「自分たちの存在は保険会社に伝えないでほしい」と言われた

最後の一言が決定的です。正当な手続きなら、業者の関与を保険会社に隠す理由がありません。

何が問題になっているのか

問題中身
説明が足りない自己負担がないことを強調し、契約の内容や手数料・違約金の説明が不十分
工事の中身が違う見積もりと違う工事をされたり、修理内容がずさん
虚偽の請求保険会社にうその理由で保険金請求が行われている

3つ目は、契約した側も巻き込まれる問題です。保険金の請求は加入者の名前で行われるからです。

まず損害保険会社に連絡します

国民生活センターが示している順番です。

申請サポートを受ける前に、損害保険会社に連絡を。保険金の請求は、加入者ご自身で!!

「申請サポート」を名乗る業者に頼む前に、自分の保険会社に電話する。これが最初にやることです。

国民生活センターは、トラブルを避けるために次の3つを挙げています。

  1. 「保険金を使って自己負担なく住宅修理ができる」と勧誘されても、すぐに契約をしない
  2. 保険契約の内容や必要書類を確認する
  3. まず保険会社に相談する

内房で雨漏りが起きたときの順番

ここまでを踏まえた、実際の手順です。お金の話は後ろにあります。

  1. 応急処置と記録。バケツを置いて広がりを止め、被害の場所と状況を自分で写真に撮ります。業者に撮ってもらう必要はありません
  2. 加入している損害保険会社に電話する。保険金の請求は加入者本人が行うものです
  3. 市の窓口で罹災証明を確認する。災害の規模によっては市が受付を行います
  4. 飛び込みで来た業者とその場で契約しない。断り方とクーリングオフについては市原の被災宅に飛び込み営業が来たときの記事にまとめています
  5. 自分で業者を探す。地元に拠点がある会社なら、あとから連絡が取れます。木更津・袖ケ浦の外壁塗装・リフォーム業者の記事で地元の会社をまとめています
  6. それでも決まらないときに、比較の窓口を使う。下に書きます

6番目の手段として、比較の窓口があります

1から5をやったうえで、まだ業者が決まらない、相場が分からない、という場合があります。そのときにはじめて、複数社をまとめて比較する窓口という選択肢が出てきます。

屋根と雨漏りの専門でいえば雨漏り修理110番があり、見積もりの依頼だけなら費用はかかりません。ここで相場を知ってから、地元の会社と比べる使い方ができます。

雨漏りの修理を無料で見積もる

ただし順番は変えないでください。保険会社への連絡が先です。見積もりを取っても、保険の請求は自分で行います。

アンテナが倒れたときも同じ順番です

台風で壊れるのは屋根だけではありません。テレビのアンテナが倒れる・折れるのもよくある被害です。

この場合も順番は同じで、まず保険会社に連絡し、飛び込みの業者とその場で契約しない、そのうえで自分で業者を選びます。

アンテナの工事だけを扱う窓口もあります。屋根に上る作業なので、自分で直そうとしないでください。

アンテナの修理・設置を相談する

相談は市の消費生活センターへ。受付は15時30分までです

おかしいと思ったら、契約する前に相談できる窓口があります。市原市の場合は消費生活センターです。

項目内容
場所市原市五井中央西1丁目1番地25 サンプラザ市原2階
電話0436-21-0999
受付時間午前9時00分〜午後4時30分
相談の受付午前9時〜午後3時30分
休業日土曜日・日曜日・国民の祝日(休日)・12月29日〜1月3日

ここが見落としやすいところです。窓口の受付時間は午後4時30分までですが、相談の受付は午後3時30分まで1時間の差があります。

夕方に「今日中に相談したい」と思って電話しても、3時30分を過ぎていると受けてもらえません。台風の翌日など、あわてている状況ほどこの差が効いてきます。

場所はサンプラザ市原の2階です。JR内房線の五井駅西口から、ペデストリアンデッキで直結している建物です。同じ建物に温水プールもあります。

市原市以外にお住まいの方や、時間外の場合は消費者ホットライン「188(いやや)」へ。最寄りの消費生活センターにつながります。

なぜ秋なのか

国民生活センターが「秋台風シーズン」と名指ししているのには理由があります。

台風が来る → 屋根が傷む → 業者が回るという順番です。被害を受けた家は外から見て分かるので、訪ねる先を選びやすいということでもあります。

そして被害の直後は判断を急かされます。雨漏りしている家に「今すぐ直さないと」と言われれば、断りにくくなります。この状況そのものが手口の一部です。

台風が来る前のいま、順番を決めておくことが対策になります。実際に困ってから調べる時間はありません。

覚えておく3つの言葉

この3つを言われたら、その場で契約しないでください
この3つを言われたら、その場で契約しないでください

この記事でいちばん大事なところをまとめます。

言われたことどう受け止めるか
「火災保険で自己負担0円になります」すぐに契約しない。まず保険会社に確認する
「保険の申請はこちらで全部やります」保険金の請求は加入者本人が行うものです
「私たちの存在は保険会社に伝えないでください」この時点で契約しない。隠す理由がありません

この記事で確認できなかったこと

  • 2020年度以降の相談件数。この記事で確認できたのは2010年度と2019年度の数字だけで、それ以降の公表を確認できませんでした
  • 内房5市での相談件数。国民生活センターの数字は全国のもので、市ごとの件数は確認できていません
  • 市原市以外の消費生活センターの連絡先。木更津市・君津市・富津市・袖ケ浦市については確認していません。消費者ホットライン188からつながります
  • 火災保険で実際に支払われる範囲。契約内容によって変わります。加入している保険会社にご確認ください
  • 罹災証明の申請条件。災害の規模と市によって異なり、この記事では各市の条件を確認していません

内容は2026年9月1日時点で国民生活センターと消費者庁が公表しているものです。困ったときは消費者ホットライン「188(いやや)」へ電話すると、最寄りの消費生活センターにつながります。

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出典

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