富津市の岩瀬海岸で、馬が砂浜を駆ける神事が毎年9月に行われています。吾妻神社の馬だし祭りです。
神霊を移した馬の手綱を若者がつかみ、海岸を走ります。2017年に千葉県の無形民俗文化財に指定された祭りです。
2026年の開催日は、令和8年9月20日(日曜日)に確定しました(2026年8月24日、富津市公式サイト更新)。馬だし神事は午後2時15分から(予定)です。この記事では、いま確認できることと、確認できていないことを分けて書きます。

2026年の開催日はいつ?
先に、いちばん知りたいところから書きます。
2026年の日程(2026年8月24日、富津市公式サイトで確定発表)
令和8年9月20日(日曜日)。馬だし神事は午後2時15分から(予定)です。2025年は9月14日(日曜日)に行われており、2026年はそこから約1週間遅い日程になります。
なお、公式サイトには「以下添付のスケジュールは昨年のものです。2026年のスケジュールは分かり次第掲載いたします」との注記があり、当日の細かい時間割は2025年のものが暫定的に参考掲載されている状態です。最新情報は富津市商工観光課(0439-80-1291)でも確認できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 2026年の開催日 | 9月20日(日曜日)(2026年8月24日、富津市公式サイトで確定発表) |
| 馬だし神事の開始 | 午後2時15分から(予定) |
| 2025年の実績 | 9月14日(日曜日) |
| 当日の詳細スケジュール | 2026年版は未掲載。公式サイトには2025年版PDFが参考掲載中 |
| 確実な確認先 | 富津市 建設経済部 商工観光課 0439-80-1291 |
この記事は公開時、2026年の日程が「一部サイトで9月20日と告知されているが市の公式では未確認」という状態でした。その後、2026年8月24日に富津市公式サイトが更新され、9月20日開催・午後2時15分開始(予定)が正式に発表されたため、この記事も更新しています。
馬だし祭りとは、何をする祭りか
祭りの中心は「馬だし」と呼ばれる神事です。
神霊を移した幣束(へいそく)を馬の鞍に載せ、若者2人が両側から手綱をつかんで、岩瀬海岸の砂浜を駆けます。
富津市の説明では「神霊を馬に移して若者が砂浜で駆け回る神事」とされています。見物客が多く集まる、勇壮な祭りです。
何のために行われるのか
吾妻神社の氏子7地区が、五穀豊穣・海上安全・大漁を祈願して行います。
神輿と馬の、二重の渡御
この祭りの構成で特徴的なのは、神霊の渡御が神馬と神輿によって二重に行われる点です。
通常の祭りでは、神輿が神霊を運びます。この祭りでは神輿に加えて、馬にも神霊が移されます。幣束を鞍に載せた神馬と、担ぎ手が運ぶ神輿。2つの経路で神霊が動く形です。
神輿の担ぎ出しが始まると、馬は海に向かって下っていきます。神社から岩瀬海岸までを、途中で休憩をはさみながら進みます。
海に面した土地の祭りらしく、海上安全と大漁が祈願の中心に入っているのも特徴です。内陸の祭りであれば五穀豊穣だけで完結するところに、海の要素が並んでいます。
弟橘媛と、櫛をくわえた馬の言い伝え
この祭りには由来として伝わる話があります。
吾妻神社が祭っているのは弟橘媛(おとたちばなひめ)です。日本武尊(やまとたけるのみこと)の東征のとき、海神の怒りを鎮めるために、身代わりとして走水(現在の東京湾・浦賀水道)に入水したと伝えられる人物です。
その弟橘媛の櫛が岩瀬海岸に流れ着いたという言い伝えがあります。
そして、どこからともなく現れた馬がその櫛をくわえ、神社のある「お山」まで運び上げたとされています。
なぜ「馬」なのか
この言い伝えが、馬が神事の主役になっている理由です。流れ着いた遺品を運んだのが馬だったから、いまも馬が神霊を載せて海岸を走る。祭りの形と伝説がそのままつながっています。
富津市の説明では「日本武尊の身代わりとして、走水に入水した弟橘媛の遺品を祭ったと伝えられています」と記されています。
当日は朝から夕方までの1日行事。馬だしはその一部です
ここを知らずに行くと、見たいところを外します。
千葉県の文化財の説明によると、当日の流れはこうなっています。
| 時間帯 | 何が行われるか | 場所 |
|---|---|---|
| 朝 | 4つの地区がそれぞれ出発式を行い、行列を作って神社へ向かう | 各地区 |
| 午前 | 神社への登山(細かい決まり事がある) | 吾妻神社 |
| — | 拝殿で宮司のお祓い | 吾妻神社 |
| — | 神輿の担ぎ出しが始まると、馬は海に向かって下る | 神社 → 海岸 |
| — | 途中で休憩をはさみながら岩瀬海岸へ | 道中 |
| 14時台 | 馬だし(2025年は14時15分から予定) | 岩瀬海岸 |
| 夕方 | 還御。神社に戻る | 海岸 → 吾妻神社 |
朝から夕方まで続く行事で、馬だしはその中の一場面です。馬が砂浜を走るところだけを見たいなら、午後、岩瀬海岸へ行くことになります。
一方、行列や神社での神事から見たい場合は、朝から動く必要があります。出発式は4つの地区でそれぞれ行われるので、どこを見るかで場所が変わります。
馬だしの見え方
馬は海岸を1回走って終わりではありません。千葉県の説明では「何度も疾走」するとされています。若い衆が両脇について手綱をとり、馬と一体になって走るのが馬だしです。
「オブリ」という道具が使われます
この祭りには、オブリと呼ばれる独特の道具が登場します。
千葉県の説明によると、出世魚であるブリの若魚を2尾ずつ腹合わせに結わえ、青竹に吊るしたものです。
魚そのものを使う点に、海の祭りらしさが出ています。五穀豊穣だけでなく大漁を祈願する祭りであることが、道具にも表れています。
氏子は7つの地区。祭りを支えているのは誰か
保持団体は吾妻神社の氏子7地区です。
| 地区 |
|---|
| 西大和田 |
| 絹 |
| 中 |
| 岩瀬 |
| 上 |
| 近藤 |
| 八田沼 |
馬だしの会場である岩瀬海岸の「岩瀬」も、この7地区のひとつです。
朝の出発式を行うのは4地区とされています。7地区すべてが同じ動きをするわけではなく、役割が分かれている祭りです。
「吾妻」という社名も、この伝承から来ています
神社の名前そのものが、弟橘媛の話につながっています。
弟橘媛が入水したとされる走水は、現在の東京湾・浦賀水道にあたります。富津の岩瀬海岸は、その対岸の房総側です。
櫛が流れ着いた場所として岩瀬海岸が語られるのは、この位置関係のためです。走水と富津は、東京湾をはさんで向かい合っています。
富津から見た地理
富津市は東京湾に細長く突き出した富津岬を持つ市です。対岸の三浦半島まで、湾のなかで最も距離が近くなる場所にあたります。海で隔てられた土地ではなく、海でつながっている土地としてこの伝承が残っていると考えると、祭りの祈願に海上安全と大漁が入っている理由も見えてきます。
なお、ここで挙げた由来は言い伝えとして富津市が紹介しているものです。史実として確認されたものではありません。
神事を見に行くときに気をつけること
観光イベントではなく氏子が続けてきた神事です。この点は前提として押さえておくところです。
馬が走ります。若い衆が両脇について手綱を持ち、砂浜を何度も疾走します。馬との距離のとり方は、当日の案内に従ってください。
神社への登山には「細かい決まり事がある」と千葉県の説明に記されています。神社側の神事を見る場合は、立ち入ってよい場所と、そうでない場所があると考えたほうがいいでしょう。
撮影の可否についても、2026年8月25日時点で公表を確認できていません。
2017年に千葉県の無形民俗文化財に指定
馬だしの神事は、平成29年(2017年)に千葉県の無形民俗文化財に指定されました。
指定の理由として、五穀豊穣・海上安全・大漁を祈願する古い祭りの形態を伝承している点が挙げられています。
観光向けに作られた催しではなく、地域の氏子が続けてきた神事だということです。この点は、行く前に知っておいたほうがいいところです。
「馬だし」は、かつてこの地域一帯で行われていた
千葉県の説明に、見落とせない一文があります。
「かつて当地域周辺で多く行われていたという馬だしが今日まで引き継がれている」
つまり馬だしは吾妻神社だけのものではなく、この一帯に広くあった形だということです。それが減っていくなかで、吾妻神社の祭りが残りました。
2017年の県指定は、この点を評価したものです。指定の理由として「五穀豊穣・海上安全・大漁を祈願する古い祭りの形態を伝承している」ことが挙げられています。
「古い形態を伝承している」の意味
似た祭りが周囲から消えていくなかで、ここだけが当時の形を保っているということです。観光向けに作り直された催しではなく、氏子7地区が続けてきた神事である点が、指定につながっています。
何時ごろ行けば、馬だしが見られるか
当日の流れから逆算します。
馬だしそのものは午後です。2026年も14時15分から(予定)と公式発表されています。
| 見たいもの | 行く時間帯 | 行く場所 |
|---|---|---|
| 馬だし(砂浜を走るところ) | 午後(14時台) | 岩瀬海岸 |
| 神社での神事・お祓い | 午前 | 吾妻神社 |
| 地区の出発式と行列 | 朝 | 各地区 |
| 還御(神社に戻るところ) | 夕方 | 吾妻神社 |
馬だしだけを目当てにするなら、午後に岩瀬海岸へ行けば足ります。大貫駅から徒歩10分なので、電車でも動きやすい時間帯です。
2026年は9月20日(日曜日)、馬だし神事は午後2時15分から(予定)と公式発表されています(2026年8月24日確認)。ただし「予定」表記のため、直前に変更される可能性もゼロではありません。当日の正確な時刻は富津市商工観光課で確認してください。
場所は2か所。神社と海岸で行われます
祭りは1か所で完結しません。神社での神事と、海岸での馬だしに分かれています。
| 場所 | 住所 | 何が行われるか |
|---|---|---|
| 吾妻神社 | 千葉県富津市西大和田98 | 神事 |
| 岩瀬海岸 | 富津市(吾妻神社から海側) | 馬だし |
馬が砂浜を駆けるところを見たい場合は、岩瀬海岸のほうです。
2026年は9月20日(日曜日)、馬だし神事は14時15分から(予定)と公式発表されています(2026年8月24日確認)。

行き方は?大貫駅から歩けます
電車で行く場合
最寄りはJR内房線の大貫駅です。
| 行き先 | 大貫駅から |
|---|---|
| 岩瀬海岸(馬だしの会場) | 徒歩 約10分 |
| 吾妻神社(神事の場所) | 徒歩 約30分 |
馬だしを見るだけなら、大貫駅から徒歩10分で着きます。電車で行きやすい祭りです。
情報が食い違っている点
一部のイベント情報サイトには「電車での最寄り駅はありません」と書かれていますが、富津市の公式サイトには大貫駅から徒歩約10分(岩瀬海岸)と明記されています。この記事では市の公式の記載を採りました。
車で行く場合
館山自動車道の富津中央ICから約10分です。国道127号を君津方面へ進み、県道287号を大貫駅方面へ向かうルートになります。
駐車場と交通規制は?
ここは正直に書きます。2026年8月25日時点で、駐車場と交通規制についての公表を確認できていません。
| 項目 | 状況 |
|---|---|
| 駐車場の有無・台数 | 2026年8月25日時点で公表を確認できず |
| 駐車場の料金 | 同上 |
| 交通規制の有無・時間・区間 | 同上 |
| 臨時駐車場 | 同上 |
| シャトルバス | 同上 |
砂浜で馬が走る神事で、見物客が多く集まる祭りです。海岸沿いの道路がどうなるかは、当日の運用によります。
車で行く場合は、事前に富津市商工観光課(0439-80-1291)に確認してください。大貫駅から徒歩10分という立地なので、電車のほうが確実ではあります。
見に行くときに知っておきたいこと
入場料は無料です。
会場は砂浜です。馬が走る神事なので、足元が砂であることと、馬との距離には注意が必要です。
9月とはいえ、海岸で日中の屋外になります。日差しと暑さの対策はしておいたほうがいいでしょう。
確認できていないこと
見物できる範囲、立ち入りできない区域、雨天時の扱い(中止か順延か)については、2026年8月25日時点で公表を確認できていません。神事なので、天候によって扱いが一般のイベントと異なる可能性があります。
馬だし祭りは5連休の2日目です
2026年は9月19日(土)から23日(水・秋分の日)までが5連休で、馬だし祭りの9月20日(日)はその2日目にあたります。
| 日付 | 曜日 | この日のこと |
|---|---|---|
| 9月19日 | 土 | 連休初日 |
| 9月20日 | 日 | 吾妻神社の馬だし祭り(馬だし神事は14時15分から・予定) |
| 9月21日 | 月 | 敬老の日 |
| 9月22日 | 火 | 国民の休日 |
| 9月23日 | 水 | 秋分の日 |
連休の中日なので、館山道と国道127号の混雑が読めません。祭りそのものの交通規制とは別に、現地へ向かう道路が混む可能性があります。時間に余裕をもって出るか、電車(内房線・大貫駅から徒歩約10分)を使うほうが確実です。
同じ9月20日には市原市の飯香岡八幡宮でも秋祭りが予定されています。ただし日程に二説あって確定していません。内房のこの日の動きは内房の秋祭りは9/13富津から|鶴峰八幡宮は正午、馬だし祭りは9/20の14時15分にまとめてあります。
9月の富津は、ほかにも催しが続きます
馬だし祭りの前後、富津では別の催しも予定されています。
| 日付 | 催し | 場所 |
|---|---|---|
| 8月29日(土) | 第9回 金谷夢花火 | ザ・フィッシュ駐車場 |
| 9月6日(日) | Futtsu Local Sake & Food Festa | ザ・フィッシュ レストラン |
| 9月20日(日) | 吾妻神社の馬だし祭り | 吾妻神社〜岩瀬海岸 |
| 〜9月30日 | マザー牧場 桃色吐息(ペチュニア)見ごろ | マザー牧場 |
9月6日の「Futtsu Local Sake & Food Festa」は、地酒とグルメの催しです。会場のザ・フィッシュは、8月29日の金谷夢花火と同じ場所になります。
馬だし祭りは9月20日(日)に確定しており、9月6日のFuttsu Local Sake & Food Festaとは別の週末です。同じ月に富津市で複数の催しが続く形になります。
富津市のほかの催しと、周辺の店
富津では、この祭りの前後にも催しがあります。
8月29日(土)には金谷夢花火が予定されています。詳しくは金谷夢花火2026は8/29(土)19:30〜|納涼祭は15時から・駐車場200台を確認してください。
富津市新舞子海水浴場には、7月18日にオープンしたカフェSEA ANGELがあります。9時から24時までの営業で、祭りの前後に使えます。SEA ANGEL|富津市新舞子海水浴場に7/18オープンのカフェ、9時〜24時営業にまとめています。
廃校を活用したドッグラン+カフェ「マメノキドッグパーク」も富津市です。マメノキドッグパーク|富津市の廃校を活用したドッグラン+カフェ、料金・持ち物はをどうぞ。
この記事の情報の出どころ
| 内容 | 出どころ |
|---|---|
| 開催時期・馬だしの時刻・由来・アクセス・問い合わせ先 | 富津市公式サイト |
| 指定年月日・氏子7地区・当日の流れ・オブリ・神馬の役割 | 千葉県教育委員会(県指定無形民俗文化財) |
| 料金・車でのアクセス | 各イベント情報サイトの掲載内容 |
| 2026年の日程 | 9月20日(日)、馬だし神事は午後2時15分から(予定)(2026年8月24日、富津市公式サイトで確定発表) |
この記事で「確認できず」と書いている項目は、推測で埋めていません。駐車場・交通規制・雨天時の扱い・撮影の可否は、この記事の時点(2026年8月25日)でも公表を確認できていない項目です。
2026年の開催日については、公開時点(2026年8月17日)では一部のイベント情報サイトが「9月20日」と告知しているのみで、市の公式サイトには記載がありませんでした。その後、2026年8月24日に富津市公式サイトが更新され、9月20日(日)・馬だし神事は午後2時15分から(予定)という情報が正式に発表されたため、この記事も同日以降に更新しています。
駐車場・交通規制・雨天時の扱いなど、まだ公表されていない項目については、情報が出次第この記事に追記します。確実な情報は富津市 建設経済部 商工観光課(0439-80-1291)で確認してください。
9月に日付が確定している内房の祭りは1つだけです。9/20(日)の富津・吾妻神社の馬だし祭りが14時15分から、大貫駅から徒歩10分。市原の飯香岡八幡宮は2026年の日程が情報源で1か月以上ずれていて、確定していません。10月は君津の花火・国府祭り・アレワイサノサ・狸まつりが続きます。



