冠水で車が動かない|ネットのレッカーに電話する前に保険会社へ。30万円請求の事例あり

冠水した車とロードサービス(画像はイメージ)

冠水で車が動かなくなったとき、ネットで見つけたレッカー業者にいきなり電話すると、30万円請求されることがあります。

→ 9/15の最新の雨の状況はこちら:千葉県の予想雨量は1時間30ミリ・24時間60ミリ|北東部は昼前までに大雨警報の可能性

先にかけるのは、自分の自動車保険の会社です。多くの自動車保険にはロードサービスが付いていて、故障でも使えます。

市原市も「ロードサービス業者との料金トラブルにご注意ください」と公式サイトで注意喚起しています。

この記事は2026年8月25日時点で、日本損害保険協会と市原市の発表から確認できた内容です。

目次

実際に起きているトラブル

日本損害保険協会が公表している事例です。金額まで書かれています。

手口被害
「基本料金数千円〜」と広告出動費・作業費・緊急対応費などを追加され、約30万円の請求
高額なのでキャンセルを申し出た約10万円のキャンセル料を請求
「◯◯保険会社と提携している、全額保険から出る」虚偽の説明。自己負担が発生
所持金が足りないと伝えた自宅やATMまで同行され、その場で支払うよう強要
深夜のトラブル自宅に押し掛けられ、支払うまで解放されなかった
支払いを渋った料金を払うまで車を返してもらえなかった

「格安・迅速・高品質」をうたうインターネット広告からの依頼で起きています。困っているときに検索して、上に出てきた業者にかけると、この流れに入ります。

冠水した車とロードサービス(画像はイメージ)
多くの自動車保険にロードサービスが付帯。故障でも使える(画像はイメージです)

先にかけるのは保険会社です

多くの自動車保険にロードサービスが付帯しています。しかも事故だけでなく、故障でも使えます。

  • 冠水・水没
  • バッテリー上がり
  • パンク
  • エンジントラブル
  • ガソリン切れ

日本損害保険協会の案内です。

ロードサービスが必要となった場合にはまず損害保険会社や保険代理店にご連絡ください。

主な保険会社のロードサービス窓口

保険会社電話番号
あいおいニッセイ同和損保0120-024-024
アクサ損保0120-699-644
AIG損保0800-170-2202
SBI損保0800-2222-581
共栄火災0120-044-787
セコム損保0120-210-545
ソニー損保0120-101-789
損保ジャパン0120-365-110
SOMPOダイレクト0120-00-2446
大同火災0120-024-090
東京海上ダイレクト0120-655-227
東京海上日動0120-119-110
日新火災0120-097-365
三井ダイレクト損保0120-638-312
楽天損保0120-120-555
三井住友海上LINEでの連絡がスムーズ(公式サイト参照)

この番号を、車検証と一緒に車に入れておいてください。スマホが濡れて使えないことがあります。

ロードサービスが付いているか分からない場合も、保険会社に聞けば契約内容を確認してもらえます。

保険で使えなかった場合の次の手

  • 車を買った販売店(ディーラー)のロードサービス ― 新車購入時に付いていることがあります
  • 会員制のロードサービス ― JAFなど
  • クレジットカードの付帯サービス

ネット検索の前に、この3つを思い出してください。

先に業者を呼ぶと保険金が減ることがあります

日本損害保険協会は、次のように注意しています。

ロードサービス業者を利用した後に保険金を請求しても費用の全額の支払いを受けられないことがあります。

自分で業者を呼んで払ったあと、保険会社に請求しても、全額は戻らないことがあります。住宅の応急修理と同じ構図です(被災した家の修理費は最大757,000円まで公費)。

災害のあとは「早く何とかしたい」という気持ちになります。そこを突かれます。電話1本の順番を変えるだけで、数十万円の差になります。

冠水車でやってはいけないこと(画像はイメージ)
エンジンをかけない・キーを回さない。数日後に出火する事例がある(画像はイメージです)

冠水した車で、やってはいけないこと

水に浸かった車には、感電と火災の危険があります。特にハイブリッド車と電気自動車は高電圧です。

  1. エンジンをかけない ― 吸気口から水が入っていると、エンジンが壊れます
  2. キーを回さない・電源を入れない ― 電装系がショートして出火することがあります
  3. ハイブリッド車・電気自動車は車体に触れない ― 感電の危険があります
  4. むやみに動かさない ― ブレーキが効かないことがあります

水が引いたあと、見た目が乾いていても中は濡れています。「動くかどうか試してみる」がいちばん危険です。

電気系統の火災は時間差で起きます

浸水した車から、数日後に出火する事例があります。バッテリーの端子がショートするためです。

可能なら、バッテリーのマイナス端子を外してください。自分でできない場合は、業者が来るまで車に近づかないことです。

保険が使えるかどうか

保険の種類冠水・水没
車両保険(一般型)対象になります
車両保険(エコノミー型・車対車+A)多くの場合、対象になります(契約内容の確認が必要)
対人・対物賠償のみ対象外。自分の車の損害は出ません
自賠責保険対象外(他人への賠償のための保険です)

車両保険に入っていない場合、冠水の損害は自己負担になります。「保険に入っているから大丈夫」と思っていても、車両保険が付いていないことがあります。証券を確認してください。

冠水した車は、多くの場合「全損」扱いになります。電装系が全部やられるためです。修理より買い替えになることが多いという前提で相談してください。

写真を撮ってから動かす

保険金の請求には、被害状況の記録が必要です。

  • 浸水の高さが分かる写真 ― 車体の汚れの線。ドアの下端からどこまでか
  • 車全体 ― ナンバープレートが写るように
  • 車内 ― 床の水位、シートの濡れ
  • 周囲の状況 ― どこで冠水したか分かる背景
  • エンジンルーム(無理に開けず、開いている範囲で)

レッカーで運ばれてしまうと、現場の状況は撮れません。安全な場所から、動かす前に撮ってください。

電話する前に手元に置くもの

保険会社に電話したとき、必ず聞かれる内容です。先に用意しておくと1回で済みます。

聞かれることどこに書いてあるか
証券番号保険証券。アプリやマイページでも確認できます
車のナンバー車検証・車体
今いる場所住所か、近くの目印(交差点名・店舗名)
車の状態水位はどこまでか、エンジンをかけたか
運びたい先ディーラー・修理工場が決まっていれば伝える

「エンジンをかけたかどうか」は必ず聞かれます。正直に伝えてください。かけてしまった場合、その後の対応が変わります。

証券番号が分からないとき

電話番号や車のナンバーから契約を照会してもらえます。証券が見つからないからといって、ネット検索の業者に切り替えないでください。

保険会社が分からない場合も、車検証を見れば自賠責の会社が分かります。そこから任意保険を辿れることがあります。

冠水の深さと車の状態

どこまで水に浸かったかで、その後が変わります。写真を撮るときの目安にもなります。

水位状態
タイヤの下半分まで走行できることが多いが、点検は必要
ドアの下端あたり床下の電装品に影響。点検が必要です
座席の座面まで室内の電装系が水没。全損扱いになることが多い
ハンドルの高さほぼ確実に全損

座席まで浸かったら、修理より買い替えを前提に考えることになります。電装系を全部交換する費用が、車両価格を超えることが多いためです。

マフラーから水が入ると

走行中に冠水路へ進入すると、マフラーや吸気口から水が入ります。エンジン内部に水が入った状態で回そうとすると、内部の部品が曲がります(ウォーターハンマー現象)。

これが「エンジンをかけない」といちばん強く言われる理由です。止まった時点なら助かった車が、かけ直したことで壊れる例があります。

豪雨の翌日以降に気をつけること

雨がやんでも、車の中は乾いていません。数日たってから問題が出ます。

  • 電気系統のショートによる出火 ― バッテリー端子から。可能ならマイナス端子を外す
  • カビと臭い ― シートの下と床のスポンジは乾きません
  • ブレーキの効きが悪くなる ― 水がブレーキに入った場合
  • 錆の進行 ― 泥水は塩分や汚れを含みます

「動いたから大丈夫」と判断せず、点検に出してください。保険で修理できるかどうかも、そこで分かります。

駐車場所を変えておく

台風や大雨の予報が出たら、車を移動させておくのが最も確実な対策です。

  • 高い場所に移す ― 立体駐車場の上層階、高台
  • アンダーパス・立体交差の下を避ける ― 最も深くなります
  • 川や用水路のそばを避ける
  • 半地下・地下の駐車場は水が集まります

市原市には内水ハザードマップがあります。川から離れていても、下水が流れきれずに水が溜まる場所が示されています。自分の駐車場所が該当するか、先に見ておいてください。

移動先の確保は、雨が降り始めてからでは間に合いません。予報が出た時点で決めておくことになります。

市原で冠水しやすい状況

2026年8月13日・14日の豪雨では、市原市に災害救助法が適用されました。9月から10月は台風のシーズンで、同じ状況が起こり得ます。

市原市のハザードマップは6種類あり、そのうち「内水ハザードマップ」が道路の冠水に関係します。川から離れていても、下水が流れきれずに水が溜まる場所があります(市原市の避難所13か所とハザードマップ)。

2026年8月の千葉豪雨では、浸水被害の約半数が浸水想定区域の「外」で起きたという分析もあります。マップに入っていない場所でも起きています。

走行中に冠水に入りそうになったら

  • 水深が分からない場所には進入しない ― アンダーパス・立体交差の下は特に深くなります
  • 路肩の縁石が見えない深さは危険
  • 止まってしまったら、水が増える前に車を降りる ― 車内に閉じ込められる事故が起きています
  • ドアは水圧で開かなくなります。窓から出ることも想定してください

車は代わりが利きますが、命は代わりが利きません。迷ったら引き返してください。

この記事で確認できていないこと

  • 市原市内での冠水車両の件数 ― 公表されていません
  • 個別の保険契約でロードサービスが使えるか ― 契約内容によります。保険会社へ確認してください
  • 各社のロードサービスの範囲(距離・回数の上限)― 会社ごとに違います
  • 冠水車の買取価格 ― この記事では扱いません

確認先

※この記事は2026年8月25日時点で確認できた内容です。電話番号・保険の取り扱いは変更される場合があります。実際の連絡前に各社の公式サイトで確認してください。

冠水した車とロードサービス(画像はイメージ)

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