勝浦市勝浦にある「高照寺」は、境内の墓地に立つ巨大なイチョウ「乳公孫樹(ちちいちょう)」で知られ、別名「イチョウ寺」とも呼ばれています。母乳の出に悩む女性を治したという言い伝えを持つ、千葉県指定天然記念物の御神木です。
この記事では、拝観料金・駐車場・アクセスと、乳公孫樹に伝わる伝説、2023年に一部が倒れた出来事をまとめました。所在地は千葉県勝浦市勝浦49です。
拝観料金・営業時間
千葉県公式観光サイト「ちば観光ナビ」によると、営業時間は9:00〜16:00、定休日は無休です。拝観料金についてはサイトに記載がなく、2026年8月27日時点で確認できていません(ちば観光ナビ)。訪問前に電話(0470-73-7474)で確認することをおすすめします。

乳不足を治したという乳公孫樹の伝説
境内の墓地に立つ乳公孫樹は、樹高10メートル余りながら樹冠は大きく広がり、ホーキ状の樹形をしています。大小合わせて100以上ともいわれる「乳柱」と呼ばれる気根が幹や枝から垂れ下がっており、これが名前の由来になっています(勝浦市公式サイト(生涯学習課)、2026年8月27日時点)。
寺伝によると、千余年の昔、この地を訪れた一人の聖僧が法華経を読誦し、母乳の出に悩んでいた里の女性たちを治し、乳飲み子の成長を助けたと伝えられています。僧の死後、里人がその徳を偲んで墓の上にイチョウを一樹植えたところ、成長するにつれて乳柱が生じるようになり、母乳の出に悩む人が訪れて治癒を願う信仰の対象になったといわれています。
昭和初期には、著名な植物学者・牧野富太郎博士がこの木を訪れ、「千年の年輪を数えるか」と語ったと伝えられています。古文書が火災で失われているため正確な樹齢は分かっていませんが、千年を超えるとされる巨木の風格を物語るエピソードです。乳公孫樹は昭和10年(1935年)3月26日に千葉県の天然記念物に指定されました(千葉県公式サイト、2026年8月27日時点)。

2023年、一部が倒れた出来事
2023年6月13日、乳公孫樹の約3分の1が根元から折れて倒れているのが確認されました。降雨で枝が重くなったことが一因とみられていますが、約100年前の火災で主幹の上部が枯れていたことや、四方に広がった巨大な枝の重みで主幹に裂け目が生じていたこと、塩害の影響なども背景にあったとされています。
寺では倒れずに残った部分の手入れを続け、支柱を設置するなどして保護にあたっています。住職は「命の原点といえる乳公孫樹を後世に伝えていきたい」という思いを示しており、樹木を残す取り組みが続けられています。2026年時点で倒壊から3年が経ちますが、残った部分は今も境内で見ることができます。
高照寺という寺
高照寺は山号を「傳光山(でんこうざん)」といい、1480年(文明12年)の開山と伝わる日蓮宗の寺院です(日蓮宗ポータルサイト、2026年8月27日時点)。境内の乳公孫樹がよく知られていることから、地元では「イチョウ寺」という通称でも呼ばれています。もともとは日蓮宗の寺院としての歴史が中心でしたが、乳公孫樹の伝説が広まるにつれて、樹木そのものが信仰の対象として寺の顔になっていったという経緯があります。
境内は墓地と隣接しており、乳公孫樹もその墓地の中に立っています。寺そのものの拝観と、天然記念物としての乳公孫樹の見学が、同じ境内で一体的に体験できる構成になっています。日蓮宗ポータルサイトによれば、高照寺は勝浦朝市が発祥した場所に建っているとも案内されており、古くから地域の信仰と暮らしの両方に関わってきた場所であることがうかがえます。
アクセス
電車の場合、JR外房線「勝浦」駅から徒歩約10分です。東京駅から特急わかしお号を利用すると、勝浦駅まで約1時間40分が目安です。車の場合、館山自動車道「市原」インターチェンジから約70分が目安です。
駐車場
ちば観光ナビでは乗用車11台分の無料駐車場があるとされていますが、勝浦市公式サイトでは「駐車場なし」と案内されており、情報源によって食い違いがあります。2026年8月27日時点でどちらが正確か確定できていないため、訪問前に電話で確認することをおすすめします。大型バスの駐車には対応していません。
よくある質問
今もイチョウを見学できますか?
2023年に一部が倒れたものの、残った部分は境内で見学できます。支柱などで保護されている状態のため、見学の際は寺の案内に従ってください。
紅葉の時期に見頃はありますか?
イチョウのため、秋には黄葉した葉が見られます。具体的な見頃の時期については2026年8月27日時点で公式な発表を確認できていません。一般的なイチョウの黄葉時期である11月頃を目安に、訪問前に現地の状況を確認するとよいでしょう。
混雑する時期はありますか?
紅葉シーズンや天然記念物としての知名度から、秋の休日は見学者が増える可能性があります。駐車場の台数が情報源によって11台または「なし」と分かれているため、混雑が予想される日はJR勝浦駅から徒歩10分というアクセスを利用するのも一つの方法です。
母乳に関する祈願はできますか?
伝説にちなんで、母乳の出に悩む人が訪れる信仰の対象とされてきた木です。祈願方法や受付の可否については2026年8月27日時点で確認できていないため、訪問前に電話で問い合わせることをおすすめします。
子供連れでも見学できますか?
境内は墓地に隣接しているため、静かに見学するマナーを心がけてください。倒れた木の支柱周辺は特に注意して歩くことをおすすめします。
雨の日でも見学できますか?
屋外の境内のため、雨天時は足元が滑りやすくなることがあります。台風など強風時は倒れた木の残った部分にさらに負担がかかる可能性もあるため、荒天時の訪問は避けることをおすすめします。
近くに他の見どころはありますか?
JR勝浦駅からは徒歩10分圏内に勝浦朝市の会場や覚翁寺などの見どころが点在しています。高照寺とあわせて、徒歩で回れる範囲に複数のスポットがあるエリアです。
まとめ
高照寺の乳公孫樹は、千年を超えるとされる巨木で、母乳の出に悩む女性を治したという伝説を持つ千葉県指定天然記念物です。昭和10年(1935年)の指定から90年以上、地域に大切にされてきました。
2023年に一部が倒れるという出来事がありましたが、寺では残った部分を大切に守り続けています。牧野富太郎博士が「千年の年輪」と評した巨木を、今も境内で見ることができます。
勝浦市内には覚翁寺や旅館松の家など見どころも点在しています。あわせて巡るプランもおすすめです。
南房総版では、館山・勝浦を中心に南房総市・鴨川市・鋸南町のイベントや店舗情報を今後も取り上げていきます。あわせて勝浦エリアの記事一覧もチェックしてみてください。

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