南房総市富浦町にある「大房岬自然公園」は、東京湾の入口に突き出た岬全体が公園になった自然スポットです。展望塔からは富士山まで見渡せ、園内には旧日本軍の要塞跡も点在しています。
この記事では、営業時間・駐車場・アクセスと、要塞跡の歴史・見どころをまとめました。所在地は〒299-2404 千葉県南房総市富浦町多田良1212-29です。
入園料金・営業時間

【2026年9月9日追記】公式サイトを再確認しましたが、入園料・開館時間・休館日とも8月25日時点から変更はありませんでした。
公式サイトによると、園内への入園は無料です。
ビジターセンター・インフォメーションセンターの開館時間は9:00〜16:30、休館日は毎週月曜日と12月29日〜1月3日です(大房岬自然公園公式サイト、2026年8月25日時点)。
公園そのものは屋外のため、開館時間外でも敷地内を歩くことはできますが、施設の利用は開館時間内に限られます。
展望スポット
大房岬は東京湾の入口に突き出た、高さ約80mの台地状の岬です。園内の展望塔「ぐるぐる階段」からは、鋸山から三浦半島まで、房総半島をぐるっと360度見渡せます。第2展望台は夕陽の絶景ポイントとして知られ、晴れた日には富士山や伊豆大島まで見渡せます。三浦半島や伊豆半島を望めることもあり、房総半島の中でも見晴らしのよいスポットのひとつです。
自然と桜の見どころ
湧き水でできた「モーリー池」や、散策路「木漏れ日の道」があり、森林浴やバードウォッチングを楽しめます。タイマイ浜・オオトリ浜では磯遊びも可能です。春にはオオシマザクラ・染井吉野・八重桜の3品種、約250本の桜が植えられており、運動園地や芝生園地での花見も楽しめます。

東京湾要塞の歴史
大房岬は東京湾の入口に位置することから、江戸時代には黒船来襲に備えて大砲が置かれるなど、古くから軍事的に重要な場所とされてきました。
明治時代に着工された東京湾要塞は、三浦半島と房総半島にまたがる32の砲台と人工島(海堡)で構成された第一等要塞で、1880年(明治13年)起工、1932年(昭和7年)に完成しました。大房岬砲台はその一部として、昭和3年(1928年)から4年の歳月をかけて建設されました。昭和初期の建設だったため、レンガではなくコンクリート構造でつくられているのが特徴です。
現在も園内には探照灯跡地などの要塞跡が複数残されており、自然公園としてだけでなく、戦争遺跡としての一面も持つ場所になっています。もともとは軍事施設として使われていた土地が、戦後に自然公園として整備され、今の姿になったという経緯があります。
大房岬砲台は東京湾要塞の中でも東京湾口部を防衛する役割を担っており、探照灯(サーチライト)で夜間に艦船を照らし出す施設が置かれていました。現在残る探照灯跡地は、コンクリートで固められた円形の窪みのような構造をしており、当時の姿をとどめています。散策路の途中に案内板が設置されている区間もあり、歴史に詳しくなくても要塞跡の位置が分かるようになっています。
夜のプログラムも開催されている
大房岬自然公園は日中の見学だけでなく、夜間のプログラムの会場にもなっています。近隣の内浦山県民の森が主催する「星空撮影ワークショップ&合同撮影会」の会場になったことがあるほか、公園自体でも「ウミホタル&夜の生き物観察ツアー」のような夜間の自然観察プログラムが開催されることがあります。日中の展望・散策とあわせて、夜の自然体験も楽しめる場所です。開催日程は不定期のため、参加を希望する場合は南房総市や周辺の観光案内で最新の開催情報を確認してください。
キャンプ場
園内には第1・第2の2つのキャンプ場があり、いずれもビジターセンターから徒歩2〜3分です。テント1張630円のフリーサイト制で、気に入った場所に設営できます。第1キャンプ場は風の少ない落ち着いた立地、第2キャンプ場はそれよりも広めのサイトです。
利用には事前予約が必要で、宿泊を伴う利用は1年前から、日帰りでの利用は1か月前から電話(0470-33-4551)で受け付けています。海岸園地も整備されていますが、火の取り扱いはキャンプ場エリア内に限られ、海岸園地を含む公園内での焚き火・バーベキューは禁止されています。
岬全体が公園になっているため、キャンプ場から展望塔や磯遊びのできる浜まで、園内を歩いて移動しながら複数のアクティビティを楽しめます。1日かけてゆっくり過ごすのに向いた広さの公園です。
野鳥観察・自然観察のポイント
「木漏れ日の道」をはじめとする園内の散策路は、シイやタブノキなどの照葉樹林に囲まれており、四季を通じて野鳥観察を楽しむ人が訪れます。湧き水でできた「モーリー池」の周辺は湿地環境になっており、水辺を好む生き物を観察できることもあります。双眼鏡を持参すると、より楽しめる場所です。
散策路の歩きやすさ
園内には複数の散策路が整備されていますが、岬という地形上、アップダウンのある区間も含まれます。展望塔まではある程度の距離を歩くことになるため、歩きやすい靴での来園をおすすめします。ビジターセンターからキャンプ場までは徒歩2〜3分ですが、展望塔や海岸園地まで巡る場合は30分〜1時間程度を見込んでおくと安心です。
アクセス
車の場合、富津館山道路「富浦」インターチェンジから約4kmです。電車の場合、JR内房線「富浦」駅から市営路線バスを利用し、「大房岬レストハウス前」下車、徒歩約1分です。ただしこのバスは土日祝日のみ1日3便と本数が少ないため、平日に訪れる場合はタクシーや車の利用を検討することをおすすめします。
駐車場
駐車場は乗用車100台、大型バス6台分あり、無料で利用できます。花見シーズンや連休中は特に混雑することもあるため、時間に余裕を持って訪れるとよいでしょう。
南けい船場は2017年から立入禁止のままです
園内の南けい船場は、2017年の台風21号で崩落しました。公式サイトには「現在、南けい船場は立入禁止としております。復旧の目処は立っておりません」と書かれています(2026年9月12日確認)。9年近く閉じたままです。
これは船着き場で、東京湾要塞の跡そのものではありません。要塞跡の見学に制限があるかどうかは、公式サイトには引き続き書かれていません。
ドローンは原則禁止です
公園内でのドローンの飛行は原則禁止です。公式サイトに明記されています。学術調査や研究で飛ばしたい場合はビジターセンターへ問い合わせる形で、「申請内容と当日の公園内の状況を鑑みて許可を出すこともあります」とされています。
撮影にも条件があります。公式サイトによると、この公園は学校の体験学習などの団体利用が非常に多く、撮影の問い合わせは「団体様の利用が有る場合にはお断りするケースがほとんど」とされています。撮影を考えている場合は、先に問い合わせが必要です。
キャンプは予約なしで行っても断られます
公式サイトは「ご予約なく当日直接キャンプ場にいらっしゃったお客様は、基本ご利用をお断りさせていただいております」と書いています。必ず前日までに電話(0470-33-4551)で予約してください。
サイトの整備作業や団体の貸切で使えない日程も多いとされています。空いているかどうかは電話で聞くことになります。
予約には決まりが3つあります。1度の利用は3泊4日まで。同じ月のなかでは1組2日程までが基本(3日程以上は相談)。受付は該当日の午前9時から電話で。2026年9月12日時点では、2027年9月の利用分まで予約を受け付けています。
入浴については、いま使えるのはキャンプ場のシャワー設備だけです。以前は隣接する宿泊施設の日帰り入浴を案内していましたが、経営が変わった関係で日帰り入浴は休止しています(2026年9月12日確認)。
よくある質問
要塞跡は自由に見学できますか?
探照灯跡地などの要塞跡は園内の散策路から見学できますが、老朽化による立ち入り制限の有無については2026年8月25日時点で確認できていません。現地の案内表示に従って見学することをおすすめします。
雨の日でも楽しめますか?
屋外の自然公園のため、雨天時は散策路の足元が特に悪くなることがあります。展望塔などの一部施設は屋根があると考えられますが、荒天時の対応の詳細は2026年8月25日時点で確認できていません。
子供連れでも楽しめますか?
磯遊びができる浜や、森林浴を楽しめる散策路があり、家族連れでの利用に向いています。展望塔までの道のりには階段もあるため、ベビーカーでの移動は一部区間で難しい場合があります。
ペット同伴で入園できますか?
屋外の公園ですが、ペット同伴の可否や条件については2026年9月9日時点でも公式サイトに記載がなく確認できていません。訪問前に管理事務所(0470-33-4551)へ確認することをおすすめします。
キャンプの予約はいつから可能ですか?
公園担当者への確認によると、宿泊を伴う利用の予約は1年前から、日帰りでの利用予約は1か月前から受け付けています(電話予約、0470-33-4551)。宿泊予約は早い段階で埋まることもあるため、日程が決まったらできるだけ早めに連絡することをおすすめします。
バーベキューはできますか?
火の取り扱いができるのはキャンプ場のみです。
海岸園地を含む自然公園内での焚き火・炭火などの使用は禁止されており、場合によっては警察の取り締まり対象にもなります。
バーベキューを予定している場合は、必ずキャンプ場のエリア内で行ってください。器材のレンタルの有無や料金の詳細は、訪問前にビジターセンター(0470-33-4551)へ問い合わせることをおすすめします。
桜の見頃の目安
大房岬自然公園の桜は、オオシマザクラが2月下旬から3月頃、染井吉野が3月下旬から4月上旬、八重桜が4月中旬にかけて見頃を迎えるのが一般的な傾向です。3品種が時期をずらして咲くため、南房総市の他の桜スポットと比べても長い期間花見を楽しめる公園のひとつです。
まとめ
大房岬自然公園は、富士山まで見渡せる展望塔と、旧日本軍の要塞跡が残る南房総市の自然スポットです。入園無料、駐車場は100台分が無料で利用できます。夜間の自然観察プログラムの会場になることもあり、日中とは違った楽しみ方もできます。
1928年着工の大房岬砲台をはじめとする戦争遺跡と、約250本の桜、磯遊びができる浜まで、歴史と自然の両方を一度にじっくり楽しめる場所です。休館日は毎週月曜日と年末年始のため、訪問日程を決める際にあらかじめ参考にしてください。
このほか南房総市内には道の駅ちくら・潮風王国や、日本唯一の料理の神様を祀る高家神社など観光スポットも点在しています。あわせて巡るプランもおすすめです。
南房総版では、館山・勝浦を中心に南房総市・鴨川市・鋸南町のイベントや店舗情報を今後も取り上げていきます。あわせて南房総市エリアの記事一覧もチェックしてみてください。


