南房総市千倉町にある「高家神社(たかべじんじゃ)」は、日本で唯一、料理の神様「磐鹿六雁命(いわかむつかりのみこと)」を祀る神社です。手を触れずに庖丁とまな箸だけで魚を捌く「庖丁式」でも知られています。全国の料理人・飲食関係者から篤い信仰を集める、南房総ならではの神社です。
この記事では、拝観料金・営業時間・駐車場・アクセスと、庖丁式の情報をまとめました。住所は〒295-0012 千葉県南房総市千倉町南朝夷164です。
拝観料金・営業時間
千葉県公式観光サイト「ちば観光ナビ」によると、境内の見学は自由で、拝観料金は無料です。授与所の営業時間は9:00〜17:00、定休日はありません(ちば観光ナビ、2026年8月21日時点)。

神社の歴史
高家神社は平安時代の延喜式神名帳に「安房国朝夷郡 高家神社」として記載された式内社ですが、その後衰退・廃絶したと伝わります。もともと現在の社殿は、元和6年(1620年)に高木吉右衛門という人物が桜の木の下から木像と2面の鏡を発見し、これを神体として「神明社」として創建したのが始まりとされています。
それから約200年後の文政2年(1819年)、発見された鏡に「御食津神、磐鹿六雁命」と刻まれていることが判明し、所在不明だった式内社「高家神社」の神体であると分かったため、「神明社」から「高家神社」へと改称されました。1620年の創建から数えると400年以上、1819年の改称からも200年以上が経過しています。
日本で唯一の「料理の神様」
高家神社の主祭神は磐鹿六雁命で、古代に日本武尊(やまとたけるのみこと)へ料理を献上したという伝承から、料理の神様として祀られています。全国的にも珍しい、料理・調理をご利益とする神社です。あわせて天照皇大神・稲荷大神も祀られており、単に「料理の神社」というだけでなく、地域の総鎮守としての役割も担っています。
全国には料理人・飲食関係者向けの神社がほとんどない中、高家神社はその数少ない例外です。遠方から料理関係者が参拝に訪れることも珍しくなく、南房総の中でも独自の存在感を持つ神社になっています。
調理師や飲食・醸造関係者から篤い信仰を集めており、「料理上達」のお守りや、庖丁式をモチーフにした手ぬぐいなどが授与品として用意されています。
庖丁式について
高家神社を代表する神事が「庖丁式」です。平安時代の宮中行事を再現したもので、烏帽子・直垂といった装束をまとった庖丁人が、真鯛などの魚に一切手を触れず、庖丁とまな箸だけを使って捌く儀式です。所作の一つひとつに古式ゆかしい作法が込められています。
庖丁式は毎年5月17日(春季大祭・大漁祈願祭)、10月17日(秋の例大祭)、11月23日(新穀感謝祭)の3回、日付を固定して行われています。2026年は10月17日(土)11:00〜12:00に「秋の例大祭・庖丁式奉納」が予定されています(ちば観光ナビ、2026年8月21日時点)。
正確な日程は年によって変わる可能性があるため、庖丁式の見学を目的に訪れる場合は、訪問前に最新の開催日を確認することをおすすめします。
庖丁式は平安時代の宮中作法を今に伝える貴重な神事で、庖丁人が両手に庖丁とまな箸だけを持ち、魚に直接手を触れずに切り分けていく所作は独特の緊張感があります。写真や動画で見るのと、実際に目の前で見るのとでは印象が大きく異なるとされ、一度は見ておきたい神事として紹介されることも多いです。
毎月17日の庖丁供養祭
高家神社では、毎月17日に「庖丁供養祭」が行われています。使い古した庖丁への感謝と供養、調理師や飲食関係者の繁盛祈願を目的とした行事で、庖丁式ほどの規模ではありませんが、毎月続けられている点が特徴です。
1年を通して料理・調理に関わる行事が定期的に行われている神社は全国的にも珍しく、料理人にとっての「聖地」的な存在になっています。毎月17日という決まった日に続けられていることで、地元の料理人が定期的に参拝する習慣が根づいているとも考えられます。
庖丁供養祭は庖丁式ほど大規模なものではありませんが、日々使う道具への感謝を形にする行事として、飲食業に携わる人にとって意味の大きい機会です。観光客が見学できるかどうかは2026年8月21日時点で確認できていないため、興味がある場合は事前に問い合わせることをおすすめします。
アクセス
車の場合、富津館山道路の富浦インターチェンジから約25分です。電車の場合、JR内房線「千倉」駅からバスを利用し、「高家神社入口」下車、徒歩約5分です。
駐車場
駐車場は乗用車約16台、大型バス2台分で、料金は無料です。庖丁式などの行事の日は参拝者が増えるため、混雑が予想される場合は早めの到着をおすすめします。普段の参拝であれば台数に余裕があると考えられます。
周辺の観光スポット
高家神社がある南房総市千倉町には、道の駅ちくら・潮風王国も近くにあります。海沿いの観光スポットとあわせて、料理の神様への参拝を組み込んだ南房総観光のプランも立てやすい立地です。
南房総エリアには他にも歴史ある神社仏閣が点在しています。あわせて南房総市エリアの記事一覧や館山エリアの記事一覧もチェックしてみてください。

2025年も同様に、5月・10月・11月の年3回の庖丁式が行われていたとみられます。料理人を志す人や、飲食業を営む人にとっては、毎年欠かせない参拝先のひとつになっています。
よくある質問
庖丁式は誰でも見学できますか?
特別な予約なしで見学できると考えられますが、開催時間や見学場所の詳細は2026年8月21日時点で確認できていません。訪問前に神社(0470-44-5625)へ確認することをおすすめします。
料理関係者以外でも参拝できますか?
もちろん参拝できます。料理・調理に関わる仕事の人だけでなく、料理上達を願う人や、珍しい神社を訪れてみたい観光客にも人気のスポットです。日本で唯一という珍しさから、観光目的で訪れる人も少なくありません。
御朱印はいただけますか?
授与所の営業時間(9:00〜17:00)内であれば対応していると考えられます。詳細は現地で確認してください。
雨の日でも参拝できますか?
屋外の境内を歩くことになりますが、参拝自体は雨天でも可能です。庖丁式など屋外での神事は、荒天時の対応について2026年8月21日時点で公式な取り決めが確認できていません。
まとめ
高家神社は、料理の神様・磐鹿六雁命を祀る、日本で唯一の神社です。拝観無料、授与所は9:00〜17:00で参拝できます。毎年5月・10月・11月に行われる庖丁式では、手を触れずに魚を捌く伝統儀式を見学できます。
富浦インターチェンジから車で約25分、駐車場は無料16台です。2026年は10月17日に秋の例大祭・庖丁式奉納が予定されているため、見学を検討している場合は最新情報を確認してから訪れてください。
400年以上の歴史を持つ神社が、今も現役の料理人・飲食関係者から篤い信仰を集めているのは珍しいことです。南房総観光の一環として、または料理上達を願う参拝として、訪れてみる価値のある神社です。
南房総版では、館山・勝浦を中心に南房総市・鴨川市・鋸南町のイベントや店舗情報を今後も取り上げていきます。


