館山市大井にある「手力雄神社(たじからおじんじゃ)」は、養老2年(718年)創建と伝えられる古社です。館山市街地から少し離れた集落の中にあり、地元の氏神として大切にされてきた神社です。本殿は千葉県の有形文化財に指定されており、戦国大名・里見義頼が再建に関わったという歴史も伝わっています。館山市中心部から少し離れた集落の中にあり、大きく宣伝されるスポットではありませんが、その分静かに歴史を感じられる場所です。
この記事では、駐車場・アクセスと、県指定本殿の建築的な特徴、里見氏との関わり、境内の大杉についてまとめました。所在地は千葉県館山市大井1129です。市街地から少し外れた場所にあります。
拝観料金・営業時間
手力雄神社は神社のため、境内への参拝はいつでも自由とみられます。拝観料金は無料とみられますが、営業時間や定休日についての明確な案内は2026年8月28日時点で確認できていません。文化財としての問い合わせ先は館山市教育委員会博物館(電話0470-23-5212)です(館山市公式サイト、2026年8月28日時点)。参考として、同じ館山市立博物館本館の開館時間は午前9時から午後4時45分まで(入館は午後4時30分まで)、休館日は毎週月曜日(祝日の場合は開館し翌平日休館)と12月29日から1月3日です。入館料は一般個人400円・小中高校生個人200円です。

1980年指定、三間社流造りの本殿
手力雄神社本殿は、1980年(昭和55年)2月22日に千葉県の有形文化財(建造物)に指定されました。構造は三間社流造りで、屋根は檜皮葺です。もともとは柿葺(こけらぶき)の屋根でしたが、1940年(昭和15年)の屋根修理の際に、覆い構造を取り除いて現在の檜皮葺に改められ、あわせて桧皮や鰹木などの装飾要素が加えられました。指定から2025年で45年、2026年で46年が経過しています。
蟇股(かえるまた)と呼ばれる装飾的な部材や、手挟み・虹梁の彫刻には、安土桃山時代の建築装飾の技法が表れているとされています。中世後期の地方における装飾技術を伝える建物として評価されており、房総半島南部でこの時代の様式を残す社殿建築は多くありません。

里見義頼が関わった1584年の再建
手力雄神社は、天正12年(1584年)に安房国の戦国大名・里見義頼が造営に関わったと伝えられています。718年の創建から1584年の里見義頼による造営までは866年、そこから1709年の修理までは125年の開きがあります。その後、元禄16年(1703年)11月23日の元禄大地震で被害を受けたとみられ、宝永6年(1709年)に修理・改修が実施された記録が残っています。
祭神は天手力雄命(あめのたぢからおのみこと)で、天手力雄命は天照大神が天岩戸に隠れた際に岩戸をこじ開けたという神話で知られる力の神です。力強さの象徴とされることから、力仕事やスポーツの上達を願って参拝する人もいるとされています。あわせて天御中主神・大山祇命も祀られています。
安房地方2位の規模を誇る大杉
境内には市指定天然記念物の大杉があります。1972年(昭和47年)1月21日に館山市の天然記念物に指定され、樹齢は約700年、幹周4.52m、樹高35mとされています(館山市公式サイト、2026年8月28日時点)。根元が石垣や石段の造成で約2mほど埋められているため、実際の高さはこれより高いとみられています。安房地方では、国指定の「清澄の大スギ」(樹高約47m・幹周14m)に次ぐ規模とされ、地域では2番目に大きな杉として知られています。
駐車場・アクセス
房総タウン.comは「駐車場から鳥居までは約200m、社務所までは約50m」としていますが、独立した参拝者の記録では、手力雄神社自体には専用駐車場がなく、近くの恵比寿神社(向かい側)の路肩に停めて徒歩約100mで境内入口に着くという利用のされ方が複数報告されています(神社を旅する、外房寺社めぐり、いずれも2026年9月5日時点)。距離の数字は情報源によって幅があり、収容台数の案内はどの情報源にもありません。路肩への駐車になるため、通行の妨げにならない停め方への配慮が必要です(房総タウン.com、2026年8月28日時点)。
電車の場合、JR内房線「館山」駅からのアクセスが基本となりますが、具体的なバス便・所要時間については確認できていません。館山市観光協会(電話0470-22-2000)への事前確認をおすすめします。
境内の主な建物の建立年は、拝殿が明和5年(1768年)、鳥居が寛政10年(1798年)と伝えられています。拝殿は本殿より後、鳥居はさらにその30年後に建てられたことになります。祭礼は毎年9月中旬と10月9日に行われるとされています。
よくある質問
本殿の内部を見学できますか?
本殿の内部は通常非公開とみられます。外観の建築装飾(蟇股・手挟み・虹梁の彫刻など)を見学する形が中心になります。じっくり見るなら、双眼鏡などがあると細部の彫刻まで確認しやすくなります。
大杉はどこにありますか?
拝殿前の左手にあります。樹齢約700年・樹高35mの大木で、安房地方では清澄の大スギに次ぐ規模とされています。
御朱印はいただけますか?
御朱印の授与状況について2026年8月28日時点で確認できていません。授与されている場合でも常駐の社務所ではない可能性があるため、訪問前に館山市観光協会(0470-22-2000)へ確認することをおすすめします。
荒天時でも参拝できますか?
屋外の神社境内のため、大雨や強風の際は足元が悪くなることがあります。天候が悪い日の訪問は避けることをおすすめします。
祭礼はいつ見学できますか?
祭礼は毎年9月中旬と10月9日に行われるとされています。具体的な時間帯や見学のしやすさについては2026年8月28日時点で確認できていないため、訪問を希望する場合は事前に館山市観光協会(0470-22-2000)へ確認することをおすすめします。
まとめ
手力雄神社は、718年創建と伝えられ、1980年に千葉県有形文化財に指定された本殿を持つ古社です。1584年に里見義頼が再建に関わったという歴史があり、三間社流造り・檜皮葺の建築には安土桃山時代の装飾技術が表れています。境内には樹齢約700年・樹高35mの大杉もあり、建物と自然の両方に長い歴史が刻まれています。
拝観は自由とみられ、境内には市指定天然記念物の大杉もあります。派手な観光スポットではありませんが、安土桃山時代の彫刻技法が残る本殿と、安房地方でも指折りの大杉を同時に見られる場所として、歴史や自然に関心がある人には見応えがあります。館山市の歴史ある神社建築を体感できるスポットとして、訪れる価値があります。
館山市内には那古寺や洲埼灯台など、歴史と自然を感じられる見どころも点在しています。あわせて巡るプランもおすすめです。
南房総版のジモはるでは、館山・勝浦を中心に南房総市・鴨川市・鋸南町のイベントや店舗情報を今後も取り上げていきます。あわせて館山エリアの記事一覧もチェックしてみてください。




