「787 Nanohana Coffee roaster(ナノハナコーヒーロースター)」は市原市の五井・八幡宿間の平成通りの八幡宿よりに、今年2019年3月にオープンした、自家焙煎のコーヒー豆屋さん兼カフェ(ロースタリーカフェ)です。
787で「ナノハナ(菜の花)」と読むあたりが、すでにオシャレ感が漂います。
ナノハナコーヒーロースターがあるのは、20年間、タヴァーンヂップ(TAVERN ZiP)というバーが営業していた場所といえば、お酒が好きな方ならピンとくるかもしれません。
そのバーのオーナーだった東海林稔(しょうじ みのる)さんが、今度はコーヒー屋さんに転身し、オープンしたのがナノハナコーヒーロースターです。スラリと背が高く優しい面持ちの東海林さんが、柔らかい口調で淡々と語るコーヒーや食のお話の中に垣間見える熱い想いが、とっても興味深くて、取材時間を大幅にオーバーしてしまいました。
そんな東海林さんの魅力とナノハナコーヒーロースターってどんなカフェ?を、コーヒーのことは全然詳しくないけれど、コーヒー大好きライター艸(そー)がお伝えしていきます。
787ナノハナコーヒーロースターの店内
お店に入ると、自家焙煎しているお店独特のカラメルが濃縮されたような薫りに包まれます。入口左にはコーヒー豆を焙煎するピカピカのコーヒーロースターがお出迎え。
明るい店内には、これから焙煎されるのを待っている生豆やローストされたコーヒー豆、ナノハナコーヒーロースターのオリジナルグッズなどが並んでいます。
ナノハナをモチーフにしたお店のロゴも、コーヒーの湯船に浸かっているナノハナコーヒーロースターのキャラクターナノハナコちゃんもとっても可愛くてセンスの良さがにじみ出ちゃっています。
注文はこちらのカウンターから。メガネを掛けているのがオーナーの東海林さん。
ナノハナコーヒーロースターの客席は、注文するカウンターの向こう側です。白木の明るいカウンター側とはちょっと趣が変わってバー時代の空気が感じられる雰囲気のある空間になっています。東海林さんお手製のテーブルがゆったりと並ぶ14席ほどの客席は、妙に落ち着きます。
787ナノハナコーヒーロースターのドリンクメニュー
現在、ナノハナコーヒーロースターで扱っているコーヒーは7種類のシングルオリジン(一種類の豆で淹れるコーヒー)とナノハナブレンドの計8種類。お値段は390円(税別)〜です。
ブラジルNO2 プラナウト農園 エスプレッソレディー、コロンビア EX ラスフローレス農園、グアテマラ アンティグア SHB、、、、とこだわりのコーヒー豆の名が連ねられているのですが、コーヒー素人の僕にはさっぱり分かりません。
でもご安心ください。カウンターにはお店で扱っているコーヒーを試飲できるコーナーが設けられています。これは本当に嬉しい。飲んでから選ぶことができます。百聞は一口に如かずなのです。
詳しいメニューは公式サイトMENU – 787 Nanohana Coffee Roasterからご覧いただけます。
ガッツリ正統派のコーヒー以外にも、ラテや豆乳ラテ、カフェモカなどのアレンジコーヒーなどもあり、ナノハナコーヒーロースターは、名前の通りコーヒー屋さんですが、コーヒー以外の飲み物も充実しています。
地元市原市の和農園(なごみのうえん)のハーブを使ったハーブティーや、袖ケ浦市の武井製茶のお茶っ葉を使った和紅茶やほうじ茶ラテ、更に同じく武井製茶の抹茶を使った抹茶ラテまで。
千葉県にお茶農園があることも知りませんでしたし、千葉県産の抹茶があるなんて!“この千葉県産の抹茶は本当に美味しいですよ”と東海林さん。抹茶ラテ以外にもかき氷やスイーツにも使用されているそうです。
787ナノハナコーヒーロースターのフードメニュー
フードメニューには、平日は朝8時から営業していることもあり、バタートースト、市原タンネンバウムの千葉県産スモークベーコンと袖ケ浦市の北川鶏園の卵を使ったベーコンエッグトーストなどのトーストメニューが並びます。
特にお得なのがモーニングメニュー。トーストに自家製のグラノーラ、自家焙煎の美味しいコーヒーがついて500円(税別)!通常は、美味しいコーヒーだけで390円(税別)〜ですから。
※この写真は許可を得て公式ホームページよりお借りしました
ナノハナコーヒーロースターのモーニングを食べながら休日のゆったりとした朝をスタートさせるお客さんも多いのだとか。
トースト以外には、787BLTサンドや、バー時代から人気の787プレミアムベーコンチーズバーガー(10時~15時まで一日限定10食)などボリュームのあるフードメニューもあります。
※他のお客さんのオーダーをご厚意で撮らせていただきました
BLTサンドにもハンバーガーにも、先程登場した市原タンネンバウムの千葉県産スモークベーコンが使われています。“このベーコンを使ったら、他のものは使えません。脂が本当に美味しいんですよ。”と。
地元市原のパン屋さんと試作を重ねて作り上げたバンズに牛肉100%のパティと新鮮野菜の織りなす迫力あのる787プレミアムベーコンチーズバーガーを目指してくるお客さんもいて、“ハンバーガーのお店でしょ”と言われることもあるそうで、“まあ、僕は美味しいものを食べて、飲んでくれればそれでいいんですけど、、、”と苦笑いの東海林さん。
そんなコーヒー以外にナノハナコーヒーロースターを目指してお客さんが来るもう一つの看板メニューが、東海林さんの奥さんが作るバスクチーズケーキです。
787ナノハナコーヒーロースーターのバスクチーズケーキ
スペインのバスク地方のとあるお店が発祥のバスクチーズケーキの表面は黒く焦がされていて、とろっとろに口の中で溶ける濃厚なところが特徴です。都内にはバスクチーズケーキの専門店があるほどの最近人気のチーズケーキです。
ナノハナコーヒーロースターのバスクチーズケーキ(450円税別)は、まあまあのサイズがあるのですが、濃厚なのに不思議と軽く、甘すぎない絶妙な甘さと表面の苦味(こんなに黒いのにそれほど苦いわけではない)が時折アクセントになって、“ゆっくり召し上がってください”との東海林さんの制止を振り切って、あっという間に食べてしましました。
そして、このバスクチーズケーキがまたコーヒーに合うんです。いただいたのはマンデリンを使ったアイスコーヒーで、ちょっとクセがあるけれど、それがまた美味しく、苦いんだけどスッキリ。個人的にすごく好みのアイスコーヒーでした。アイスコーヒーは、ブレンドとこのマンデリンの2種類が用意されていて、アイスコーヒーも美味しいものをという東海林さんのこだわりが感じられます。
バスクチーズケーキの他にもマフィンやクッキーなどの焼き菓子、コーヒー水ようかんなど、コーヒーのお供にぴったりな手作りスイーツメニューも豊富です。
これは、パンナコッタの上に武井製茶の紅茶ゼリーと桃があしらわれた新作スイーツ。
コーヒーなどのドリンク類とスイーツはテイクアウトできるので、お出かけ前にちょいと寄ったり、友人宅でまったりティータイムなんてことも。
787ナノハナコーヒーロースターのコーヒー焙煎
“一般の人にもコーヒーに詳しいコーヒーマニアの人がいて、大変ですけど、その中でうちを選んで来てくれるのはありがたい”と語るナノハナコーヒーロースターのオーナー東海林さんは、20年間のバーの営業の後、今年からコーヒー屋さんをやろう、と突然始めたわけではもちろんありません。
バーの営業をしながら、都内まで通いコーヒーの基礎を学び、都内にある焙煎所にも通い詰め、何年もかけてコーヒーの焙煎技術を身につけ、そして、長年営業してきたバーを閉めるタイミングとお客さんに出せるコーヒーの知識と技術がついてきたこのタイミングでナノハナコーヒーロースターをオープンしたのです。
入り口にあるコーヒーの焙煎機、コーヒーロースターは、僕のような素人目から見ると大きな機械に見えますが、業務用の焙煎機としては大きくない方なのだそうです。
この焙煎機は1kg焙煎機なのですが、東海林さんが一度に焙煎するのは500〜600g。そのくらいの量がむらなくキレイに焙煎できるからだそうです。コーヒー豆は200gづつでパッケージされる事が多く、焙煎すると水分が飛んで豆が軽くなることも考えると、一度の焙煎でできるのは2パック分です。なので、夜遅くまでコーヒーの焙煎作業をしていることも珍しくないといいます。
けれども、“小さな焙煎機は少しづつ焙煎できるのがいいところで、新鮮な豆を美味しい時期に出すことができる”と東海林さんは仰っていました。
同じく、新鮮な豆を美味しく出すために、仕入れるコーヒー豆の種類も7種類と厳選に厳選を重ねて絞っているのだそう。
一般的にコーヒー豆は焙煎してから3〜4日くらいで落ち着いてきて、そこから緩やかに少しずつ下がっていくので、なるべく早く飲むのが良いとされているそうです。
大変ですが、少しづつ焙煎して、いい状態の豆をコーヒーを提供したいと。
また、少量で焙煎ができる機械だからこそ、注文焙煎も受けやすいそうです。お客さんの好みで、この豆をこのくらいの深さに焙煎して欲しいといったリクエストにも答えてもらえます。
焙煎度合いを相談しながら希望を伝えて、次の日に受け取ったり、午後の暇な時間帯で、東海林さんの手と機械があいていれば店内でコーヒーを飲んでいる20〜30分くらいの時間で焙煎することもできます。
この日もう一杯いただいたコーヒーは、ニカラグアのパカマラという希少品種でした(あれ?メニューには載ってないぞ)。
僕は酸味のあるコーヒーが苦手で、普段は中深煎〜深煎のものしか飲まないのですが、このコーヒーは浅煎り。しっかりとしたコーヒーの味のあとに程よい酸味がちょっと顔を出すを感じです。お話を伺いながらゆっくり飲んでいたので、最後の方は冷めてしまったのですが、冷めても酸味が特段強くなったいもせず、最後まで美味しくいただけました。良質な豆のコーヒーは冷めても美味しいのですね。浅煎りのコーヒーも美味しいという新たな発見!
東海林さんは、“良質なコーヒー豆は、浅煎りでも美味しいんです。浅煎りだと、豆の特徴も出やすいですし”と。787ナノハナコーヒーロースターのコーヒーは中深煎りくらいが多いそうです。専門用語で言うとシティ〜フルシティで、あまり深煎りにせず、苦味だけでなくコーヒー豆の育った環境や生産者、気候などによって生み出される豆の特徴を出したいとも仰っていました。
本当はもっと浅煎りにしたほうがコーヒー豆の特徴が出るので、店頭には並んでいないけれど、密かに浅煎りのコーヒー豆を隠し持っているときもあると言います。浅煎りコーヒーに興味にある方はぜひ声をかけてみてください。
787ナノハナコーヒーロースターを訪れて
車通りの多い平成通り沿いにありながら、ナノハナコーヒーロースターに一歩足を踏み入れると、ゆったりとした時間の流れる空間がそこにはありました。
厳選されたコーヒー豆を丁寧に焙煎したコーヒーは390円(税別)〜で、可愛らしいイラストの入った紙カップで頂いたり、食材にこだわって作られたフードやスイーツのお値段もお手頃で、バスクチーズケーキはあのサイズで450円(税別)です。
ちょっと美味しいコーヒーを、ちょっと美味しいスイーツを気取らずに飲んで食べてできるナノハナコーヒーロースターは、僕のようなコーヒー素人も、ちょっとコーヒーにはうるさいコーヒー通も気軽に楽しめる素敵なカフェでした。
今回、ここに書ききれないくらいたくさんのコーヒーのお話も聞けました。お暇な時間帯なら、そんな東海林さんのコーヒー話が聞けるかもしれませんよ。
「787ナノハナコーヒーロースター」インフォメーション
787ナノハナコーヒーロースターの駐車場
ナノハナコーヒーロースターの駐車場は、平成通りを五井から八幡方面に向かうと、左側にあるナノハナコーヒーロースターの手前の細いところを入ります。
「787COFFEE」のプレートの掛かった駐車場が7台分あります。
「787COFFEE」のプレートの掛かった駐車場が7台分あります。
住所 | 〒 290-0064 千葉県市原市東五所8-2 |
電話番号 | 0436-42-2244 |
営業時間 | 平日 8:00〜19:00 土日祝日 10:00〜19:00 |
定休日 | 木曜日 |
お持ち帰り | 可 |
予算(口コミやメニュー参考) | 400円〜1500円 |
Wi-Fi | フリーWi-Fiあり |
公式ホームページ | https://787roaster.com/ |
この記事は Ichiサイン≪2019.07.31≫ 投稿 からお引っ越してきました。